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2005年05月10日
正しい妊娠中の体重管理に気を使おう
◆スリムな女性要注意 「やせ形」で増加7キロ未満なら低体重児の出産2倍に
体重が少ないまま生まれる赤ちゃん(低体重児)が増えているとの厚生労働省の調査が注目を集めている。女性のダイエット志向が背景にあると考えられるため、同省は妊婦の体重増加量の目安などを今年10月までにまとめることになった。健康な赤ちゃんを産むため、妊娠期間中の体重管理に気を使いたい。
◆太りたくない…
東京都江戸川区の管理栄養士、瀬川則子さんは「体重が増えることに対する嫌悪感を持つ妊婦が増えている」と話す。区主催の妊婦向け母親教室で10年以上にわたって栄養の指導を行ってきた。最近、教室の質疑応答で「太りすぎだと思うが、つい食べてしまう。食べた物の戻し方を教えてほしい」と聞かれてびっくりしたこともあるという。
現在2歳の娘を持つ、東京都中野区に住む主婦(32)も、妊婦仲間で自分たちの体形が話題になったという。「太っているより、やせ形に見られたい。妊娠初期あまり食事がとれず、目立つほど太らなかったので、うらやましいと言われることも多かった」
これまで妊婦の体重指導は肥満対策に重点が置かれてきた。肥満は妊娠中毒症や妊娠糖尿病を引き起こしやすくなるためだ。「ダイエット志向の強い最近の女性たちも、肥満はよくないが、やせていることは問題ないと考えているのではないか」と瀬川さん。
厚労省の人口動態統計によると、体重が2500グラム未満の赤ちゃん(低体重児)は、2003年に10万2320人で全体の9・1%。1990年の6・3%と比べ、増加してきている。さらに保育器が必要になる1500グラム未満の赤ちゃんも、8390人(03年)で、90年と比べて30%近く増加している。
厚労省の外郭団体「こども未来財団」(東京)が東京都内で88年から99年の間に出産した女性約8万6000人を対象に調査したところ、元々やせ形だった女性で7キロ・グラム未満の体重増加しかなかった場合、平均の倍にあたる約2割が低体重児を出産するという。
三鷹レディースクリニック院長の天神尚子さんは「妊娠すると、胎児や羊水などで、約5キロ・グラム体重が増えます。このほかに、お産に必要なエネルギーを皮下脂肪として蓄えなければいけません」と話す。太っている人に比べると皮下脂肪を持っていないやせ形の女性は、出産までに皮下脂肪を付けるため太っておく必要があるのだという。
◆体形で異なる対応
妊婦が一定の体重を維持する一つの目安となるのが体格指数(BMI)。BMIは体重(キロ・グラム)を身長(メートル)の2乗で割ると出てくる数値だ。標準とされる数値は22で、25以上は肥満とされる。
妊娠前にこの数値が24を超える場合は5~7キロ・グラム増に抑える。逆に18未満のやせ形だった人は、10~12キロ・グラム程度増加するように心がける。このように、体形によって対応を変える必要がある。
こうした数値を基に「1週間に1度はお風呂上がりなどの決まった時間に体重を量ってほしい」。また、太りすぎたと感じたときは食事量ではなく、ウオーキングなどの運動でカバーする。食べる量を減らすと、必要な栄養が得られにくくなるからだ。
厚労省は、低体重児が増加している事態を受け、今年3月に栄養などの専門家6人による研究会を発足させた。体重の適度な増加量をグラフで示すことや必要な栄養素を補える食生活指針を作成することなどを検討しており、今年10月に報告書としてまとめる予定だ。
「かかりつけの医師と相談しながら、適切な体重を維持して、丈夫な赤ちゃんを産んでほしい」と天神さんは話している。
