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2005年08月27日
肥満と人口関節置換術との相関性
新しい調査により、カナダにおける憂慮すべき肥満率と人口股関節置換術の急激な上昇には直接的なつながりがあることが判明した。
カナダ健康情報研究所の報告によると、肥満者および過体重者が関節置換手術を受ける割合は、健康体重の人々と比べそれぞれ3倍、2倍にものぼっている。
この報告は2003年~2004年の数値を基にしており、人工膝間接置換術を受けた10人中9人が過体重および肥満者、人口股関節置換術に関しては10人中7人がこのカテゴリーに入る。体重が重いと変形性関節炎になる危険性が高く、膝、股関節置換術が必要となる場合が多いという。
昨今この手術を受けるカナダ人は急激に増加しており、この8年で倍増。これが手術の待ち時間が長くなる原因となり、オンタリオ州の今年初めの平均待ち期間は、膝関節が9ヶ月近く、股関節で半年となっている。
肥満のベビーブーマーが高齢となることも懸念のひとつだ。関節置換術を受けた46%がBMI(肥満指数)30以上の肥満、35%がBMI25~29.9の体重過多。BMI18.5~24.9の正常体重者の比率はわずか18%。
2005年08月26日
韓国産農産物使った肥満抑制物質を開発
肥満や血中コレステロールに対する心配を減らせるようになる見込みだ。忠清南道(チュンチョンナムド)の動物資源センター・卜成海(ボク・ソンヘ)博士(建陽大教授)は、25日、かんきつ類の皮と朝鮮人参・チコリーなど韓国産農産物から、肥満とコレステロール合成を抑える物質を抽出することに成功した、と伝えた。
また、この抽出物を使って「ウェルビーイング(well-being)ハンバーガー」を作ったとした。これによって、豚肉やファーストフードなどに、この抽出物を添加する場合、太ったり、コレステロールが上がるのを防げるものと期待されている。卜博士は「肥満抑制物質は、飲み物に入れて飲むこともでき、豚肉・牛肉などにふりかけて食べることもできる」とし「すべて韓国産農産物で作るため、農畜産業の振興にもプラスになる」と話した。すぐに大量生産も可能だとのこと。
同博士は、40人を2のグループに分けて実験を行った。20人はウェルビーイングハンバーガーを毎日コーラとともに昼食として食べ、残りの20人は一般のハンバーガーを食べた。その結果、ウェルビーイングハンバーガーを食べた人の肝機能数値(GOT)は、一般のハンバーガーを食べた人に比べて20%が低かった。血中コレステロールは9%、中性脂肪は45%低かった。
2005年08月23日
ダイエット医薬品メリディア販売禁止請願を棄却、米国
飲むだけで食欲を制御するとして人気の高いダイエット医薬品「メリディア」について、米食品医薬品局(FDA)が危険性を上回る利益があるとして販売の継続を認めた問題で、販売禁止の請願を棄却された米国の消費者団体、パブリック・シチズンは8月17日、「見当違いだ」と批判する声明を発表した。
パブリック・シチズンの発表によると、若者を中心に50人以上が心臓血管系疾病で亡くなっている。
2005年08月21日
汚い居住環境は肥満の元
壁には落書き、路上にはゴミや割れたガラスなどが散らかるといった粗悪な環境のエリアで生活する人は、緑の多い、清潔な環境で生活する人よりも肥満になる率が高いことが研究の結果明らかになった。
英国の医療研究機関「Medical Research Council」が、医学専門誌「British Medical Journal」のオンライン版に発表した研究結果では、グラスゴー大学にある同機関の専門部門が世界保健機構(WHO)の調査結果を分析。環境と健康に関するWHOの調査では、ヨーロッパ8ヵ国において、居住環境と住んでいる人の体重を記録。
これによると、都市部の不潔な環境で生活する人は、環境の整った気持ちよい地域で生活する人よりも、肥満になる確率が40%高かったとされる。
研究元では、自治体が生活環境整備に消極的な地域では、外出しても目障りな風景ばかりで、子供を連れて散歩に出かける、次のバス停まで歩く、ジョギングを楽しむといった健康的な生活をしなくなると説明。その結果、こういった地域の住民は一般的に不健康に陥りがちとし、住む環境と肥満との密接なつながりを指摘した。行政側には、健康のために人々に運動をするよう促す前に、周囲の生活環境を改善することが先決とアドバイスしている。
2005年08月19日
ダイエット食品「天天素」販売で初の逮捕者
全国で健康被害が相次いでいるダイエット食品「天天素」をインターネット上で広告を掲示して無許可で販売したなどとして、愛知県警生活経済課と瑞穂署は18日、東京都新宿区新宿の健康食品販売業、山崎義章容疑者(52)を薬事法違反(無許可販売など)の疑いで逮捕した。
県警によると、天天素の販売業者を逮捕したのは全国で初めて。
調べによると、山崎容疑者は今年6月から7月の間、名古屋市中区の男性会社員(37)ら2人に3回にわたって、天天素計240錠を計3万円で販売するなどした疑い。調べに対し、「天天素を売ればもうかると聞いて販売した」などと容疑を認めているという。
同容疑者は5月末から7月中旬まで全国で24人に計1260錠(約17万円相当)を販売した疑いが持たれており、同県警は裏付けを急ぐ。
天天素には、国内未承認の医薬品「シブトラミン」や、麻薬取締法で規制されている向精神薬「マジンドール」などの成分が含まれている。厚生労働省によると、東京都の10代の女性1人が死亡するなど、全国100人以上の健康被害が報告されている。
米、校内飲料を販売制限 子どもの肥満防止
米飲料業界団体である米国飲料協会(ABA)は17日、全米で社会問題化している子どもの肥満を防ぎ、健康に配慮するため、小学校の自動販売機では水と果汁100%のジュースしか売らないなど学校で販売する清涼飲料の種類を制限する計画を明らかにした。
秋の新学期から段階的に実施する。中学校では、水、果汁100%ジュース、スポーツドリンクなどカロリーや糖分が少ない飲料を販売。高校ではソーダなども加わるが、糖分が多いソフトドリンクの割合を全体の半分以下に抑える。
米国では成人の肥満人口が世界一に達している上、子どもの肥満や体重過多も急増。親の目が届かない学校で簡単に糖分の多い飲料が買えることが問題視されている。
2005年08月16日
ヨガが中年層の減量に有効
古代から伝わる修行法ヨガは、単に筋力や柔軟性を高めるだけではなく、中年層の減量に有用であることが明らかになった。米Fred Hutchinson癌(がん)研究センター(シアトル)がヨガの体重減量に対する影響を初めて評価し、その結果が医学誌「Alternative Therapies in Health and Medicine」7/8月号に掲載された。
同センター癌予防研究プログラム副代表で、ワシントン大学疫学教授のAlan R. Kristal氏らは、53~57歳の健常男女1万5,500例を対象として、体重の記録とヨガをはじめとする運動に関して質問調査を行った。
10年間ヨガを実施していた45~55歳の過体重(肥満度25-30)例は、平均約2.3kgの減量をみたが、ヨガをしていない過体重例は平均約6.1kg増大した。また、同じく10年間定期的にヨガを実施していた正常体重例は、ヨガを実施していない正常体重例よりも体重増加分が約1.4kg少なかった(4.3kg対5.7kg)。
Kristal氏はヨガを実施することによって、健全な食生活や運動の習慣を心掛けるようになり、間接的に有益性が得られるのではないかと考えている。一方、メリーランド大学統合医療センター医学部長のJanine Blackman博士は、ヨガによる精神状態がストレスに対して健康的な反応を生み出し、ストレスによる過食を防ぎ、ストレスホルモンの分泌を低下させるとの考えを示している。
いずれにしても両氏とも、今回の試験の限界を補う形でさらに研究を重ねる必要性がある点で意見は一致している。Kristal氏によれば、ヨガのタイプによる身体的強度の差が考慮されていないほか、個人の記憶に基づく自己報告によるものであるため、今後の観察試験で不足部分を補うことができれば、大規模な無作為化試験を実施することができると期待している。
2005年08月10日
「太陰人」は肥満になりやすい体質
韓医学研が発表...体質別の肥満管理の必要性を強調
各種代謝性疾患や生活習慣秒の主要因子となる「肥満」が先天的な体質による所が大きいという研究結果が発表された。
韓国韓医学研究院(院長 イ·ヒョンジュ)は8月8日、韓国のいわゆる「四象医学」の四つの体質うち「太陰人」が肥満になる確率が高く、体質によって差別化された肥満治療が必要だと発表した。
「四象医学」とは人間を体質的特性によって「太陽人」「太陰人」「少陽人」「少陰人」の4つに分け、その体質によって病気を診断し、治療しようという韓国独特の体質医学。一般に「太陽人」は端正な容貌で首が太く、うなじが発達している。「太陰人」は落ち着いており慎重、上半身よりも下半身が発達している。「少陽人」は顔が白かったり赤みのかった黄色。あごがとがっていて唇が薄い。「少陰人」はおとなしく温和なタイプで顔が楕円形の美人型。
韓医学研によると現代韓医学では肥満治療を熱量調節と運動量増加だけでは解決し得ず、体質により差別化された肥満治療を試みてよい成果をあげているという。
韓医学研はキリン韓方病院(院長 キム·ギルス)と協力して肥満治療を目的に韓方病院を訪れた2,481名のうち「四象体質」が診断された患者875名のデータを分析した。
▲ 体質別体脂肪率(最初訪問時)。左から少陰人、少陽人、太陰人の順。
その結果、712名が「太陰人」と診断され、81%を占めた。「少陰人」は85名、「少陽人」は78名でそれぞれ10%、9%であることがわかった。
体質別に体脂肪率を比較した結果、「太陰人」が36.1%、「少陰人」が32.0%、「少陽人」が30.6%で「太陰人」が断然高いことを確認できたというのが韓医学研の説明。
平均1ヶ月間の治療後に体脂肪率の減少速度を比較したところ「少陽人」は13.7%、「少陰人」は12.2%、「太陰人」は9.8%が減少しており「太陰人」が他の体質に比して体脂肪減少が少ないことも分かった。
肥満治療期間の水分や蛋白質の減少においては体質別の有意の差は発見されなかった。これから推測すると「太陰人」は他の体質に比べて体脂肪が多く蓄積され、また体脂肪減少が困難であると言える。
「太陰人」は好き嫌いがなく大食家が多いだけでなく、動くことを嫌い運動不足になりやすいため呼吸、汗、大便などにより排泄する力(発散力)が不足する上のんびりとした性格で余裕があるため「四象医学」の四つの体質のうち肥満になる可能性が最も高い。
更に「太陰人」は心肺機能が相対的に弱く、肥満にあるとそのぶん心肺の負担が大きいため健康に問題が生じやすい。
▲ 平均1ヶ月間の治療後の体脂肪率の減少速度。左から少陰人、少陽人、太陰人の順。
韓医学研の関係者は「肥満を四象医学的な面から考察すれば『太陰人』は肝臓で気運を吸収する作用が旺盛で肥満になりやすい。『太陰人』は肥満治療を行う際に食事習慣の調節と共に『太陰人』の体質的弱点である排泄の力を養うのが重要。これに加えて『太陰人』に合った薬物選択により発散力を養い充分な量の運動により汗を排泄することで肺の発散力を培うのが何よりも重要」と分析した。
2005年08月07日
スター式ダイエット法?
エステにジムに整形手術。お金さえあればお望みの容姿がかなうこのご時世だが、ハリウッドのスターたちは意外に素朴で地味なダイエット法にはまっているのです。
エンターテイメント系マガジン「Us Weekly」によると、今ハリウッドのスターたちが夢中のダイエットトレンドは4つあるらしい。
まずは、ハンプトン式ダイエット。前回のトレハリでローカーブダイエットをご紹介したが、これはその一種。同じローカーブでも広く知られているアトキン式の改良版のようなもので、前者より食事の制限が少なく、バランスのよい食生活が可能になったことで人気を集めている。ちなみに、ローカーブダイエットを3ヶ月試した場合の平均減量は16ポンド(約7,2キロ)。テキメンの効果にサラ・ジェシカ・パーカー、レニー・ゼルウィガーなどが熱狂的なビリーバーとなったという。
続いてデミ・ムーアやアリシア・シルバーストーンが熱を上げている、ローフードダイエット法。ローカーブと名前が似ていてややこしいが、あちらはlow(=低い)でこちらはraw(=生)。つまりは食物を調理しないで摂取する、生食ダイエットなのだ。韓国でブームのセンシクダイエットと同じコンセプトで、熱を一切加えないことで、原料の天然の栄養が減ることなく摂取できるのがメリット。オーガニックの野菜ならなおベターだが、逆に食べてはいけないのが、動物、乳製品や110°F(約43°C)以上で調理した食品。ベジタリアンの多いアメリカで流行りそうなダイエット法である。
そして、このローフードダイエットの中でも特に好まれる、フルーツから誕生したココナッツダイエットも要チェック。人気の秘密は減量効果だけでなく、がんや糖尿病、心臓病などの予防にもなるというマルチな効果にある。注意すべき点は、古いココナツよりもフレッシュなココナッツを選ぶこと。新しいほうが栄養もあり、果実もやわらかく果汁も多いらしいが、中を割ってみないとわからないのが難点だ。
やせて栄養もとれる、おトクなココナッツダイエット。フレッシュなのはどれ
だ?
そして最後は、グウィネス・パルトロウやマドンナ、そしてトム・クルーズまでもが信者だというマクロビオティックダイエット。名前からしてものすごくハイテクな感じのするスーパーダイエット法だが、実はこれ、日本人が考案者だという。具体的には穀物、玄米、野菜や豆類などの穀物菜食中心の食生活をしなさいというもので、日本の古き良き時代の食生活そのまま。食事制限はというと、加工品や多量の肉類の摂取をおさえるくらい。肉ばかり食べているアメリカ人が試すと苦労が多いのかもしれないが、我々日本人には朝飯前のダイエット法である。
スターにとって、自分の容姿は商品そのもの。少しでも太ればイメージダウンにつながり、キャリアを失うことにもなりかねない。常に完璧な自分でい続けるための努力は並大抵ではなく、オルセン姉妹のメアリー=ケイトのように拒食症になってしまうほど心身を犠牲にするスターも少なくない。
重要なのは、自分が無理なく試すことのできるダイエット法を選ぶことだ。「やせるためのダイエット」ではなく、「健康になるためのライフスタイル」を心がけたほうが心身ともによい結果がついてくるのでは?
体組成計って?
肥満が気になる人が増える中、売り上げを伸ばしているのが体組成計。糖尿病などの生活習慣病につながる内臓脂肪などを測定し、家庭で手軽に健康チェックをできるのが特徴だが、その数値はどの程度、信頼できるのだろうか。体組成計の仕組みを調べてみた。(鈴木 久美子)
■体の変化知る目安に
外見は体重計と似ている。使い方は体重計と同様に機器の上に両足で乗るタイプや、機器の上に乗りつつ同時に両手でバーを握って測定するタイプが一万円前後で市販されている。
「手、足から微弱な電流を流し、流れ具合を示す電気抵抗値を測って探り出します。電気抵抗値は、電気が通る部分の水分量によって決まる。脂肪部分は水分が少ないので電気をほとんど通さないが、筋肉など脂肪以外の部分は、電気が通りやすい。電気抵抗値を測ることで、脂肪と、それ以外の部分の割合を推定できるのです」とオムロンヘルスケア肥満ソリューショングループの平川輝章マネジャー。
◇ ◇
電気抵抗値と身長、体重、年齢、性別などから体脂肪率や筋肉量などをわりだす推定式が機器に組み込まれている、使用前に身長、年齢、性別などの基礎情報を入力するのは、このためだ。足のみで測定する機器は下半身、手足を使う機器は上半身の測定に向いている。
◇ ◇
体全体についた脂肪を体脂肪と言い、体重のうち体脂肪の重量が占める割合「体脂肪率」を測定できる。体脂肪には主に皮下脂肪と内臓脂肪があり、体組成計は「内臓脂肪」について、生活習慣病が起こりやすいレベルかどうかを示す。
「筋肉量」「骨量」を測定する機器や、安静にしている時に消費するエネルギー量「基礎代謝」を測定する機器もある。基礎代謝のうち約三分の一は筋肉によって消費されており、筋肉が多いほど大きくなるので筋肉の量を知る目安にもなる。
また、肥満の指標として定着している「BMI」の数値も表示される。体重を身長の二乗で割った数値で、BMIが25以上は肥満、18以下はやせと分類される。いちいち計算するのが面倒な人には便利かも。
◇ ◇
体組成計で測定する数値は正確なのか。
「体組成計は、内臓脂肪などを直接測定するわけではなく、統計値などから導き出した結果なので『これくらいかな』という目安にすればよい。正確には(病院で)CTスキャンで測定するものです」と京都市立病院・糖尿病代謝内科の吉田俊秀部長は話す。
おへそ辺りの横断面で測る内臓脂肪の面積が百平方センチメートルを超えると、糖尿病や高脂血症など肥満の合併症が起こりやすく、現在発症していなくても起こる確率が高い。病院の肥満外来では、BMIが25以上であり、かつ内臓脂肪の面積が百平方センチメートルを超えている人が治療の対象になる。食事や運動療法で減らせる。
健康管理のために脂肪に関心を持つことは的はずれではないが、体組成計には、数値の正確さよりも、長い目で見た体の変化をチェックする役割を期待する方がよさそうだ。
「体の水分をよくふきとってから、素足で測ってください」とタニタの担当者。
吉田部長も「測定するときは、変化が分かるように毎日同じ時間帯、同じ条件で測るようにしてください」とアドバイスする。
子どもの肥満 小中学生の10人に1人
子どもの肥満が増えている。食をめぐる環境の変化や運動不足といった背景があるが、特に夏休みは、肥満を加速させやすい「落とし穴」がいっぱいある。原因や予防法、肥満の大きな原因の一つでもあるお菓子などとの上手な付き合い方を探った。 (田島 真一、稲田 雅文)
「最近は十人に一人の小中学生に肥満の傾向がみられます」。あいち小児保健医療総合センター内分泌科の濱島崇医師は指摘する。栄養士や理学療法士らと連携して肥満の子どもたちを指導しているが、特に小学校高学年から中学生の男子で肥満の増加が目立つという。
なぜ、肥満の子どもが増えているのか。「最も大きな原因は生活習慣の変化です。カロリーの取りすぎや運動不足、最近はその両方が起こりやすくなっています」。ファストフード店やコンビニエンスストアで、高カロリーの食品が簡単に手に入る。
一方、子どもたちの遊び場は少なくなり、塾通いで運動をする機会も減った。子どもたちは極めて肥満になりやすい環境に置かれているといえる。
成人は身長の変化がないためBMIという簡単な計算式で肥満を評価できるが、成長過程にある子どもには当てはめにくい。そこで小児では、性別・年齢・身長別の標準体重をもとに算出した肥満度という指標で評価する。
例えば十歳で身長一四〇センチの女子の標準体重は三四・一キロ。そこで本人の体重が四五キロだと、肥満度は約32%になる。十四歳で身長一六〇センチの男子の標準体重は四九・四キロで、本人が八〇キロだと肥満度は約62%。肥満度20%以上の小児が肥満児と定義され(幼児は15%以上)、特に30%を超えるようであれば、専門の医師の診察を受けるべきだと考えられている。それぞれの標準体重は肥満に詳しい小児科医やインターネットなどで知ることができる。
肥満を放置すれば、子どもでも成人と同じ病気や症状が現れることもある。「小児でも、脂肪肝から肝炎や肝硬変になる例が報告されています。糖尿病も増えていますね」。高血糖、高脂血症の状態が続けば、子どもの時期から動脈硬化になるような変化が始まり、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞を起こすリスクを高めてしまう。体重による負荷で関節に障害をきたすこともある。
夏休みは、肥満を加速させやすいという。「昔は、夏と言えば夏バテで食欲が落ちてやせるイメージがあったのですが、最近は外来をしていると、夏休みの方が肥満が増えると実感しています」。学校生活では、登下校、体育の授業など無意識のうちに体を動かす機会があるが、これがなくなり、家にいることが多くなる。「学校と違っていつでも冷蔵庫を開けて、飲食できるようになってしまう」。外は暑いからと冷房の効いた部屋でゴロゴロして、甘いジュースやアイスクリームばかり口にしていれば、太るのも当然だ。生活のリズムが乱れて夜更かしして、寝る前に夜食を取るのもよくない。
■家事手伝いも有意義
濱島さんは「夏休み中もできるだけ生活を規則正しくして『ジュースは一日何杯まで』と、量を決めるようにしてください」と説く。飲料はお茶など、できるだけカロリーが少ないものにしたい。体を動かし、外で遊ぶことも必要。熱中症になるような暑い盛りでなくてもいい。「朝や夕方の涼しい時間に外へ出て、ウオーキングをするのもいいでしょう」。年齢に応じて家事の手伝いをさせるのも、立派な運動になる。
ただし、多少太り気味だとしても、過度なダイエットは禁物だ。極端な肥満は別として「子どもはまだ成長期です」と、必要なカロリー量は確保するよう勧める。身長が伸びれば肥満度は必然的に低くなる。バランスのいい食事で栄養を取り「これ以上は太らない」ように心がけるのがよさそうだ。
濱島さんは「子どもに対してだけでなく、家族みんなで生活習慣や健康への意識を持ってほしい」と呼び掛けている。
■バランス良く食べよう
「甘いものが太ると思われていますが、もっとも気を付けなければならないのは脂肪分です」。肥満が気になる子どもの食生活で注意すべき点について国立病院機構・三重病院(津市)の稲葉正彦栄養管理室長はこう指摘する。
稲葉室長によると、糖尿病の食事療法で簡単に栄養計算をするための分類では、食品は六つのグループに分けられる。百グラム当たりのカロリーを比較すると、脂質を多く含む食品は、同じ量を食べてもタンパク質を多く含む食品の約七倍、糖質を多く含む食品の六倍のカロリーを摂取していることになるという。
例えば、シュークリーム一つは二五〇キロカロリーで、焼きおにぎり二個に等しい。菓子パンは意外に高く、メロンパン一つで四六〇キロカロリーもある。同じ甘いものでも洋菓子はカロリーが高めである半面、和菓子や果物は比較的低カロリーのものが多い。
給食がなくなる夏休み、親が共働きだとお金だけ渡して昼食とおやつを買わせるケースが増える。「コンビニエンスストアで自由に買わせると、どうしても空揚げやフライドポテト、アイスクリームなど、脂肪分が高い食品に偏ってしまう」と稲葉室長。お昼ご飯の場合は、空揚げ弁当などの揚げ物や菓子パン類を避け、おにぎりやうどん、そばを選ぶようにさせ、野菜も食べるよう指導することが大切という。
おやつは肥満が気になる子どもについては一回当たり一五〇キロカロリーが目安。コンビニで売っているほとんどの食品にはパッケージに栄養成分表示があり、カロリーも記してあるため、きちんとカロリーを把握するよう教える。
量を守ることと同じぐらい重要なのが食べる時間。夕ご飯の前や就寝前の三時間は食べないようにさせる。「晩ご飯のときなどに今日は何時に何を食べたかを聞き、子どもの食生活について親がきちんと把握しておきましょう」とアドバイスする。
■ポテトチップス、おやつの適量は35グラム カルビー
子どものおやつの中で、親たちから「敵視」されがちなのがスナック菓子。大手のカルビーでは昨年六月から、社員が小学校の「総合的な学習」の時間に出かけてスナック菓子との付き合い方を教える「スナックスクール」を開いている。
広報室の麦田裕之さんは「どんな食品でも食べ過ぎは体に悪い。子どもたちに適量を教えたい」とスクールのきっかけを話す。これまで関東地方の小学校が限定だったが、八月以降は試験的に全国に広げるという。
同社では、普通の体格の小学生については一日三食の主食以外の間食で三五〇キロカロリーを取ることを指導の目安にしている。このため、ポテトチップス三十五グラム(一九六キロカロリー)に、牛乳コップ一杯(一九〇cc、一五〇キロカロリー)が適量としている。通常のサイズは一袋九十グラムで、食べて良いのは半分以下。三十五グラム入りの小袋もある。
スクールでは、三十五グラムがどれくらいの量なのか、はかりに載せて確認させ、見た目で適量を覚えてもらっている。
さらに、複数の野菜を原料とするスナック菓子と本物の野菜を用意し、パッケージ裏を見て使われている野菜を当てるゲームをする。麦田さんは「裏に書いてある栄養成分表示を見て 自分でカロリー量などを判断するようにしてほしい」と話す。
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