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2005年10月

2005年10月31日

ごはん抜くのは逆効果 バランス大切

 食欲の秋。「おいしいものを思い切り食べたい」と思いながらも体重が増えないか、つい気になってしまう。記者自身も仕事柄、普段から食事の時間は不規則で、夕食が就寝の直前になることも。そういえば、寝る前に食べると太ると聞いたことがある……。健康に「食べる」ためには、何に気をつけたらよいのだろうか。10月中旬、県立相可高校で行われた三重中京大学短期大学部助教授・馬場啓子さんの「生活習慣病予防と食生活」と題した講義に参加し、話を聞いた。

 「『これを食べれば健康になる』というものはありません。バランスのよい食事が大事。ごはんなど主食を減らすダイエットは失敗しますよ」。講義を聴いたのは同校食物調理科の2年生約40人。馬場さんが示すスライドを見ながら、熱心にメモをとる姿が目立った。女子生徒の一人は「炭水化物をぬくダイエットをしていたので、話を聞いてびっくりしました」。

 馬場さんが自分のゼミ生約100人を対象に調べたところ、体重を身長の2乗で割って算出するBMI(体格指数)で「肥満」に分類されるのは約8%だった。だが、体脂肪率で「肥満」に分類される人はその倍だった。「見た目はスマートでも体脂肪が多い『隠れ肥満』の人がいます。体重だけを見てダイエットをしたらだめです」

 「隠れ肥満」にならないためには筋肉をつけることが大事。一番エネルギーを使うため、筋肉が多い人の方が同じものを食べても太りにくいからだ。必ずしもバーベルなどで鍛えることはない。「姿勢をよくする」「かかとを上げて階段を上る」など日常の動きに少し気を付けるだけでも効果があるという。

 食事のリズムを守ることも欠かせない。「食事の時間が不規則だと、食べた時に体がめいっぱい蓄えようとします」。食事を抜けば抜くほど、太りやすい体になるという。

 夕食をとるのが遅くなってしまう場合などは、どうしたらよいのだろう。「夕方に小さなおにぎりなどを食べておくとよいですね」と馬場さん。遅い時間の夕食には雑炊など、リラックス出来て軽めのメニューがおすすめ。揚げ物など脂っぽいものは禁物だ。

 とはいえ、「あれもこれもだめ」と考えては「ストレスになってしまいます」。馬場さん自身、夜に食べる「お茶と甘いもの」はリラックスには欠かせないという。


2005年10月28日

減量手術に警告~術後の入院数が増加

 減量目的の胃バイパス手術を受けた後に入院する割合が増加していることが、調査で明らかになった。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、肥満に伴う糖尿病や高血圧の進行を食い止める効果を指摘する調査結果に後押しされ、2004年は約14万件の胃バイパス手術が行われた。手術の支持者は、2万~4万ドルに上る手術代は健康の改善とともに数年で相殺できるとしている。

 一方で、カリフォルニア州で1995年から2004年まで行われた大規模な調査によると、手術から3年以内に1回以上入院した患者は全体の40.4%を占め、手術前の同20.2%の倍に上った。

 同調査をまとめたカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部のデビッド・ジングモンド助教授は、「手術後の入院数は減少すると思われており、調査結果には少し驚いている」と述べた。調査は6万77人の同州民を対象に行われた結果をまとめ、米医学学会誌(JAMA)の先週号に掲載された。

 また、同誌に掲載された他の調査によると、政府の高齢者保険(メディケア)対象者である65歳以上の患者や身体障害者に対する減量手術は、当初考えられていたより危険度が高いことも分かった。

 97年から02年までの間に同手術を行った1万6155の患者を調べた結果、術後30日以内の死亡者は4.8%を占め、冠動脈血管再建など他の手術の2倍に上った。調査した患者の平均年齢は47.7歳で、過剰な肥満体質の人は何らかの障害を抱えているため若くてもメディケアの対象になることも分かった。

 大手保険会社は、減量手術への保険支払いの削減を開始している。エトナのチャールズ・カトラー最高医療責任者(CMO)は、「手術の安全性に対する懸念を抱き始めている。需要の増加とともに、経験不足なのに手術を行う病院や外科医が増えている」と述べた。


2005年10月27日

米マクドナルド、商品包装容器に栄養情報を表示へ

 米マクドナルドは25日、同社店舗で提供する大半の商品の包装容器に、商品の栄養情報を表示すると発表した。同社によると、ファストフード業界では初の試み。

 新容器は来年2月にイタリア・トリノで開く冬季五輪の会場店舗でお目見えする予定で、同年中に、北米、欧州、アジアなどの2万店舗に導入する。

 表示するのは、商品に含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、カロリーの量と、1日の適正摂取量に対する割合。イラストと棒グラフを組み合わせ、子どもでも理解しやすくする。

 マクドナルドは肥満の原因としてしばしば批判の的になっている。商品の栄養情報を消費者に開示することで、同社が健康に配慮しているというイメージを高める狙いがあるようだ。


2005年10月26日

「ダイエット枕」は誇大広告

 「ただ寝るだけの楽々ダイエットで夢の20キロ減」などと広告して、ダイエット用の枕とクッションを販売していた通信販売業者に対し、経済産業省は25日、特定商取引法違反(誇大広告)で3カ月間の業務停止命令を出した。

 命令を受けたのは東京都港区の有限会社「クロイツェル・ソナタ」。

 経産省によると、同社は05年2月以降、新聞の折り込みチラシに「ヤセた、眠れた、人生変わった」「美しいプロポーションのために枕は大切」などと枕を使っただけでダイエットに成功したという女性の写真と談話を掲載した。同社に対し、同省が根拠を示すよう求めたところ、資料を一切提出しなかったという。

 枕は1個1万4280円(分割販売価格)で、同社は年間2億円の売り上げがあったという。


2005年10月25日

「腹部肥満」は心臓病のもと

 内臓脂肪の過剰蓄積などによって起こる腹部の「肥満」が、心臓病の引き金になる危険性が高いと認識している開業医、内科専門医は約4割しかいないことが、世界心臓連合などの調査でわかった。

 ウエストサイズを測っている医師も3割足らずで、日本心臓財団は「ウエストサイズを一定以下にすることは、心臓病予防への一歩」と呼びかけている。

 腹部に内臓脂肪がたまり、ウエストサイズが男性で85センチ、女性で90センチ以上の人は、高コレステロール、高血圧、糖尿病などの複数の症状を持つことが少なくない。これらは動脈硬化を進めて心臓病になりやすく、「メタボリックシンドローム」と呼ばれる。


2005年10月23日

チーズバーガー法を可決、肥満訴訟を制限

米国の下院議会は10月19日、体重増加や肥満をめぐって消費者がファーストフードチェーンなど食品メーカーを集団訴訟などによる訴えを禁止するチーズバーガー法(正式名「食品の消費における自己責任法」)を可決した。

 チーズバーガー法の提出者、リック・ケラー下院議員(共和党、フロリダ州選出)は前日の18日、「一般常識をもって行動しなければならず、法廷で他人を非難するべきでないと下院が合意したことを喜びたい。自己責任という原則に立ち戻り、誰もが犠牲者になりかねない(訴訟)文化から脱却しなければならない」とのコメントを発表した。

 これに対し、米国の消費者団体、一般の人々の利益を守る科学センター(CSPI)の執行理事、マイケルF.ヤコブソンさんは19日、「またもや下院議員は、レストランチェーンや食品メーカーの保護に心躍らせて飛びついた。もちろん、この馬鹿げた法律は、個人の自己責任を励ますといったことと一切関係がない。ただ単に、政治家と結びついた食品産業界を喜ばすだけだ」と非難声明を発表した。


2005年10月21日

肥満の危機にさらされた韓国

世界保健機構(WHO)が21世紀の「新種の伝染病」の一つに規定している肥満が、韓国社会でも急速に広がっている。仁済(インジェ)大学付属ソウル白(ペク)病院と健康保険公団の調査によると、成人に占める肥満の割合(過体重含む)は毎年1.6%ずつ増えており、数にして年間約40万人ずつ増加している。

 3年に1度実施される国民栄養調査の結果によると、成人における肥満の割合は1998年の26.3%から2001年には30.6%に増加した。今年の年末に結果が発表される2004年の調査では、5%ほど増えると推測されている。疾病管理本部のチョ・インホ博士チームの調査によると、子ども・青少年に占める肥満の割合も22.3%に達した。今や「肥満1000万人」時代が始まったとということだ。

 肥満は糖尿、高血圧、高止血症、心臓病、脳卒中、各種のガンなどを誘発または悪化させ寿命を縮める。米国では1日平均約1200人、年間約30万人が肥満のために死亡している。

 今年3月、イリノイ大学のオルセンスキー博士のチームは、広範囲の疫学調査結果を米国最高権威の学術誌(NEJM:The New England Journal of Medicine)に発表した。その中では肥満が米国人の平均寿命を9か月ほど縮め、最大5年まで寿命を短縮させることもあるという深刻な結果が得られた。

 肥満は米国だけの問題ではない。深刻なのは韓国も同様だ。一山(イルサン)白病院と健康保険公団の共同調査によると、韓国人の場合、軽度の肥満であっても正常体重に比べ糖尿病と高血圧の発生率がそれぞれ2倍、1.5倍高かった。

 ボディマス指数(BMI:Body Mass Index/体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割った値)が25~29.9であれば軽度の肥満、30~34.9は中度の肥満、35~39.9は重度の肥満、40以上は超重度の肥満に分類される。研究を担当した一山白病院の吳尙禹(オ・サンウ)教授は「韓国人は内臓に脂肪がつく腹部脂肪が多く、ボディマス指数が25万を超える程度でも死亡率は指数が30を超える外国人と変わらない」とし、「最近、高血圧と糖尿が急増している理由も、肥満の増加と深い関係がある」と語った。

 肥満は社会経済的にも莫大な損失を招く。ソウル白病院の姜載憲(カン・ジェホン)教授とソウル大学保険大学院の文玉綸(ムン・オクリュン)教授が、1998年の国民栄養調査結果をもとに肥満治療に使われた直接経費を計算したところ、1兆17億ウォンに達した。

 肥満の急速な増加と医療費の上昇率を考慮すると、2005年現在の時点で2兆ウォンに達するとカン教授は推測している。また、やせるためにフィットネスクラブに通ったり、ダイエット食品を購入したりするなどの間接費用まで合わせると、肥満による損失は約4兆ウォンほどに推算される。米国の場合、肥満治療に使われる直接費用は1170億ドル(約117兆ウォン)、間接費用まで含めると2000億ドル(約200兆ウォン)水準だ。

 江北三星(カンブク・サムスン)病院・肥満クリニックのパク・ヨンウ教授は、「特に子どもや青少年を中心に、外国映画くらいでしか目にしなかった超重度の肥満が急増しており、問題が深刻だ」とし、「西欧国家のように、肥満を引き起こす食べ物のテレビコマーシャルを禁止したり、肥満治療費の一部を政府が支援するなど、肥満対策に乗り出す必要がある」と語った。


2005年10月20日

体重計と仲良くしよう

 減量を成功させる秘けつは常に体重を測ることだという調査結果が、このほどカナダ・バンクーバーで開かれた肥満に関する学会で発表された。毎日1回体重計に乗ることが、特にリバウンド(減量後に再び太ること)を防ぐのに効果があるようだ。

 AP通信によると、いろんな方法で減量に成功しても、大半の人は通常1年以内に減量できた分の3分の1が、2年目には3分の2が増える傾向があるという。

 ブラウン大学医学部(ロードアイランド州プロビンス)の体重管理センター(リナ・ウィング所長)は、過去2年間で10%の減量(平均44ポンド)に成功した291人を対象に、その後の体重の変化を調べた。対象者の大半は女性で、調査開始時の平均体重は171ポンド。

 対象は無作為に、1)オンラインのカウンセリングを週1回ずつ4週間受けた後、同じカウンセリングを月1回、17カ月受ける、2)同じ頻度で対面カウンセリングを受ける、3)カウンセラーからニュースレターを月に1回受け取る─の3グループに分けられ、いずれのグループにも、体重を毎日測定して毎週報告することが義務付けられた。

 1年半後、5ポンド以上体重が増えた人の割合はインターネット・グループで55%、対面グループで46%とほぼ半数だったのに対し、ニュースレター・グループでは72%と高かった。このことから、助言を得ながら体重を管理し、助言者と頻繁に連絡を取り合うことが減量を成功させる秘けつの1つであることが分かった。

 また、調査開始時には各グループの40%が毎日体重を測っていたが、その割合は18カ月後、ネット・グループで65%、対面グループでは72%に上昇した半面、ニュースレター・グループでは30%に落ちた。さらに、5ポンド増えた人のうち毎日測定していた割合は39%、ときどき体重測定した場合は68%だったことから、定期的な体重測定も減量のカギだということも分かった。


2005年10月17日

肥満+高血圧+高コレステロール+高血糖

 健康診断で「肥満」「高血圧」「高コレステロール」「高血糖」という生活習慣病の四つの“予兆”を指摘された人は、「異常なし」の人に比べ、十年後の医療費が三倍以上かかることが十五日、社会保険庁の調査研究で分かった。

 高血糖とされた人の43%が十年以内に糖尿病になったことも判明。厚生労働省は「運動や食事で生活習慣病を予防すれば中長期的に医療費を減らせることが裏付けられた。今後、健診結果に基づく保健指導を充実させたい」としている。

 調査は、政府管掌健康保険の加入者のうち、健診受診率の高かった三重県の約二千八百人が対象で、中心は健診時に四十代。一九九三年度の健診結果と二〇〇三年度の診療報酬明細書(レセプト)を照合した。

 それによると、九三年度に(1)肥満度(2)血圧(3)コレステロール(4)血糖値-とも「異常なし」だった人の〇三年度の医療費総額は平均十四万三千円。これに対し、すべての項目で異常が指摘された人は四十五万一千円に上り、三項目だと二十一万八千円、二項目だと二十万円と指摘されたリスク数に比例して医療費は減少。一項目だけの人は十五万一千円で、異常なしの人と大差なかった。

 項目別では、血糖値が「異常なし」の人は平均十六万一千円だったのに、高血糖の人は二十七万一千円と一・七倍。高血糖の人の十年後の糖尿病の発症率は43%と「異常なし」の人の六倍に達し、医療費増につながったことを示している。

 高血糖以外では(1)肥満十九万三千円(2)高血圧二十二万五千円(3)高コレステロール十七万六千円-となり、それぞれ「異常なし」の人に比べ一・一-一・四倍だった。


肉食べなければ太らない? 肥満学会で誤った常識紹介

 札幌市で開かれている日本肥満学会で14日、「肉を食べなければ太らない」といった誤った“常識”に基づくダイエットをしている例が少なくないことが報告された。最近増えている「減量教室」での効果的な指導方法などを話し合うセミナーで紹介された。

 思い込みの具体例としては、豆腐4分の1丁(100グラム)は赤身の肉50グラムのカロリーに相当するにもかかわらず、「豆腐はカロリーが少ない」「肉を一切食べなければ太らない」と考えていること。

 極端に脂質を抑えた偏った食事や、健康食品に頼り過ぎる方法など、誤ったダイエットを行っている人が多いことも指摘された。


2005年10月12日

中年期の肥満、晩年の認知症の危険を増幅

 スウェーデンのカロリンスカ研究所(ストックホルム)の研究チームはこのほど、中年期に肥満になった人は平均的な体重を保った人に比べ、晩年に認知症の危険が増加するとの研究をまとめた。米国医師会雑誌(JAMA)の一つ、神経学専門誌「アーカイブス・オブ・ニューロロジー」最新号に掲載された。


肥満関連遺伝子を特定

 糖尿病や肥満と関連がある遺伝子を、金大大学院医学系研究科の金子周一教授と篁俊成助教授らの研究グループが肝臓の遺伝子から特定し、国際特許を出願した。この遺伝子が作るタンパク質が動脈硬化や心筋梗塞(こうそく)とかかわる可能性が高く、このタンパク質を標的した新薬の開発に手掛かりとなる研究成果といえる。

 患者五十二人の協力で肝臓の遺伝子約三万七千個のうち▽血糖値(HbA1c)▽肥満度(BMI)▽インスリン抵抗性(HOMA―Rなど)―の三点について、強い相関を持って発現している遺伝子を選んだ。血糖コントロールが十四個、肥満度二十九個、インスリン抵抗性二十七個の遺伝子を特許に登録した。

 これらの遺伝子はいずれも肝臓で「悪さ」をするタンパク質を作り、これが血中に流れることで糖尿病や肥満などの生活習慣病にかかわっているとみられる。金子教授は「生活習慣病の原因の多くは肝臓にあるのかもしれない。この特許の出願により、治療のターゲットをほとんど抑えたといっていい」と話した。


2005年10月11日

錠剤飲み目黒の女性入院

 目黒区は六日、区内に住む女性が、「ヤンヒーホスピタルダイエット」と名付けられた錠剤やカプセル剤を服用し、動悸(どうき)や口の渇きなどの症状を訴えて入院していた、と発表した。同区が錠剤などを検査した結果、国内で承認されていない二種類の医薬品成分を検出した。区は、安易に服用しないよう呼びかけている。

 同区によると、女性は八月下旬に携帯電話のサイトを通じて錠剤とカプセル剤を購入し、服用。九月初めに入院した。同月十三日に退院し、現在は回復しているという。

 「ホスピタルダイエット」は、「個人輸入され、病院の処方でダイエットができる」とのふれこみで、インターネット上で販売されている。すでに香川県などで四件の健康被害が出ており、今年六月には、神奈川県では服用した女性が心不全で死亡している。


2005年10月05日

体重を5%減らせばこんなに持病がよくなる

 先日、愛知医科大学消化器内科のグループが、「体重を5%減らせば、BMI26(18.5~25未満が正常)の男性なら約3割の人が脂肪肝から正常な肝臓に戻る」という研究結果を発表した。5%といえば、80キロの人ならたった4キロだ! 実は、体重を5%減らせば、ほかにもいろいろな持病がよくなるのだ。東海大学東京病院内科・片岡邦三医師に話を聞いた。

 Kさん(40歳)は体重81キロだったがダイエットで減量し、1年後の健康診断では75キロ(約7%減)になっていた。その結果、総コレステロールが270→240、中性脂肪が154→124、LDL(悪玉)コレステロールが170→156になっていた。

「中性脂肪以外は正常値より高い状態でしたが、それでも数値が下がっていました。肝機能の数値も変化して、こちらはすべて正常値内になっていました。GOTが50→30、GPTが76→36、γ―GTPが73→54というように、です」

 Oさん(44歳)は75キロから71キロ(約5%減)に減量。すると、尿酸値は7.4の高尿酸血症の状態から、6.5の正常値以下に下がった。

 88キロから83キロ(約6%減)になったYさん(42歳)は、総コレステロール、GOT、GPT、γ―GTPが軒並み“異常”から“正常”になったのだ。

 一方、これは逆の例だが、Iさん(45歳)は74キロから81キロに増量(約9%増)。それに伴い、血圧が125/86から一気に160/98まで上昇した。

「こうした例から分かるように、体重を5%以上減らせば、総コレステロール、中性脂肪、LDL(悪玉)コレステロール、尿酸値、肝機能の数値が下がります。Iさんは逆の例ですが、彼の結果から体重増は血圧上昇を招く。つまり体重が減れば血圧が下がる、ということが分かります。血糖値に関してはほかの数値よりも変化が激しく、体重が減少すれば、すぐに血糖値も下がる。要するに、体重を5%以上減らすことで、高脂血症、高コレステロール血症、痛風、高血圧のリスクが下がるのです」

 そうなると、体はどう変わるか?

「血管内に脂肪が蓄積されにくくなり、同時に血管が傷つきにくくなるため、動脈硬化が起こりにくくなります。それによって脳梗塞などの脳血管障害、心筋梗塞などの心疾患の発病リスクが下がるのです」
 糖尿病の発症・進行もストップさせるため、合併症である網膜症や腎臓疾患もなりにくくなるのだ。

 実際にこんな例がある。40代のMさんはなかなか減量できず、あるとき心筋梗塞を起こし、「経皮的冠動脈形成術(PTCA)」というカテーテルを挿入して血管を広げ、血流をスムーズにする手術を受けた。通常は再発しやすいが、必死に減量をし、91キロから81キロ(約11%減)に落とした。現在、心電図など心臓に関する検査はすべて正常内だという。

 ただし、「体重5%減」といっても、だれでも、どんなふうにやってもOKというわけではない。
「ダラダラ減量しても駄目です。思い切って摂取カロリーを減らし、半年間で5%減を達成する。時間をかけてやっても、その間にあちこちの内臓に異常が出てくるので、効果があまりないのです。そしてその後は、BMI25以下を目指して、減量を続けることが必要です。さらにBMI30以上の“かなりの肥満”は対象外。5%減が“効く”のはBMIが30未満の人です」


米男性の9割「将来肥満」

米国男性の約9割、女性の7割は、いずれ肥満となる傾向があることが、米国立心臓肺血液研究所やボストン大医学部の研究チームによる全米規模の長期疫学調査で3日、明らかになった。

 米国で肥満は、個人の健康だけでなく、経済を圧迫する問題として社会問題化しており、研究チームは「長期的な予防戦略を立てることが急務」としている。

 研究チームは30~59歳の男女計4000人を約30年にわたって観察。その結果、標準体重だった男性の4人に1人、女性の5人に1人は、わずか4年後に米国の基準で言う「太りすぎ」になることが判明。調査が終わる30年後には、調査対象の過半数が、太りすぎか、より深刻で手術などの治療も必要となる「病的肥満」となっていた。

 対象の中には肥満予備軍のままで調査期間を終わった人も含まれる。調査結果の傾向から推定すると、米国民の7~9割が生涯の中で太りすぎ以上になる計算だという。

 いったん太りすぎになると、標準体重以下への回復は、一時的な体重減少を除いて難しく、研究チームは、30分以上の運動を週5日以上行い、野菜や低脂肪の食品中心の食事に切り替えるよう提言している。


2005年10月02日

「太め」の顔は就職に不利

 フランスの社会研究者が、肥満が就職活動に影響するかどうかを調べるため、コンピューターで求職者の顔写真を「太め」に画像処理したものと、本物の顔写真を使い分けて応募してみた。肥満に見せかけた求職者に企業が接触してくる割合は、本物の顔写真の半分。お客に姿を見せない電話利用の職種でさえ、太めを嫌う傾向があった。

 この「実験」は、外見による差別を研究しているパリ第1大学のジャンフランソワ・アマデュー教授(差別研究所所長)が企画した。

 白人学生の本物の顔写真を添えた履歴書と、写真だけニセ肥満に加工したものを50通ずつ用意、今年7月、接客セールス系を求めている計100社に送った。電話勧誘係を探している他の100社にも、別の白人学生による同様の履歴書を50通ずつ送った。

 本物の写真を送った100社では、57社が面接日を相談してくるなど前向きな反応を示した。肥満体に見せかけた写真を受け取った別の100社では、前向きな反応は29社だけ。業種別にみても、前向き反応の割合は接客係で本物64%、肥満20%と大差がついた。見た目は関係ないはずの電話勧誘でも本物50%、肥満38%だった。

 同じ会社に本物と肥満の顔写真を送ったわけではないので厳密には比較できないが、「肥満顔」が不利な傾向は確認できたという。

 フランスでは、肌の色など身体的特徴で採用の可否を決めるのは違法行為。ただ、企業が「総合判断の結果だ」と言い張れば法律違反の証明は難しい。アマデュー教授は「たとえ無意識だとしても、見かけによる差別があるのは明白。履歴書から早急に写真を外すべきだ」と総括している。



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