論文の主執筆者でテキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)の心理学研究者、エリック・スタイス(Eric Stice)博士によると、肥満の人々は喜びを感じさせる脳内物質であるドーパミン受容体が非肥満の人よりも少なく、非肥満の人と同等の喜びを感じるためには、食べ物や薬物など満足感を得られるものをより多く摂取する必要がある可能性があることが、研究で明らかになったという。
]]>1,200人以上の女性を対象とした研究の結果、食事制限の経験があり、妊娠開始時に標準体重、過体重(overweight)、肥満(obese)であった女性では、体重増加量が推奨体重増加量よりも多い傾向が認められた。また、妊娠開始時に低体重であった女性の体重増加量は、推奨体重増加量よりも少なかった。
今回の研究は、米国医学研究所(IOM)が推奨する体重増加量に基づいて行われたもの。IOMでは、低体重の女性では28~40ポンド(約13~18kg)、標準体重の女性は25~35ポンド(約11~16kg)、過体重の女性は15~25ポンド(約7~11kg)、肥満の女性は15ポンド(約7kg)以下の体重増加が推奨されている。
研究共著者である同大学のAnna Maria Siega-Riz氏は、「過度の体重増加や帝王切開、巨人症、LGA児(在胎期間から予測される体重より著しく大きな出生体重の新生児)など有害な妊娠転帰、また通常よりも短い授乳期間や分娩後の高体重の持続を予防するため、妊娠中にこれらの女性への同様の栄養や身体面での活動指導は有用である」と述べている。
]]>ラクトフェリンは、牛乳や母乳などに含まれるたんぱく質。抗菌作用や免疫作用をはじめとする様々な作用を持ち、乳児の健康を守っている。ライオンは、こうしたラクトフェリンの機能性のうち、特に歯周病予防作用に着目し、「研究の一環としてラクトフェリンを犬やマウスなどの動物にのませていたところ、特にマウスとラットで内臓脂肪の蓄積が明らかに少ないことに気がついた」(研究開発本部の村越倫明主任研究員)という。
マウスやラットは、胃の消化機能が弱く、食べたものを主に小腸で分解して体内に吸収する。ここにヒントを得たライオンは、ヒトがのんでも胃で分解されず、腸まで届くように皮膜でコーティングしたラクトフェリンの腸溶剤を開発し、これを用いて、20代以上の肥満傾向のある26人を対象に、二重盲検法にて、8週間の臨床試験を行った。結果、腸溶剤を1日300mgのませたグループは、のませなかったグループに比べ、内臓脂肪面積や腹囲、体重、BMIが有意に減ることを確認した。
ライオンでは、「ラクトフェリンがどのような経路で吸収・代謝され、脂肪細胞にどう作用するか、詳しいメカニズムを明らかにしていくのが今後の課題」(村越主任研究員)としている。今回の研究成果は、10月17~18日に大分市で行われる第29回日本肥満学会大会で発表の予定だ。
]]>今回の調査を主導したのは、デューク大学医学部に在籍するアレクサンドラ C. ラッセルさん。既に包括的な減量プログラムの対象となっている肥満の女子児童たち(9-13歳)に子ども向け絵本『Lake Rescue(原題)』を読ませ、肥満度を測る体格指数(BMI)の変化を測定した。この絵本は、健康的な生活や体重管理などがテーマとして書かれているという。
半年後の再測定の際、この絵本を読んだ女児31人のBMI指数は平均で0.71%減少した。一方、この絵本を読まなかった女児14人では平均0.05%増だった。
調査結果を受け、「女児の健康的な生活に、書籍がよい効果をもたらすとの結果が示されたのは初めて」と説明するのは同学部のサラ C. アームストロング医師。肥満児を対象としたプログラム「Duke's Healthy Lifestyles Programme」のディレクターを務めている。
「子どもたちの参考になるような本を買ってあげるよう、小児科医として何度もご家族に勧めてきました。しかし、この助言を後押しするような調査はこれまでありませんでした」。
同大学のプレスリリースでは、肥満児をめぐる米疾病対策センター(CDC)の統計情報を引用。これによると、6-19歳の約16%が「太りすぎ」および「肥満」とされている。この数値は1980年当時に比べると約3倍の水準となっている。
現在主流となっている肥満の治療法について、副作用を伴う薬物投与や外科手術などに限られているとアームストロング医師は指摘する。「(今回の調査結果は)手軽に実行可能であり、対処法が少ない現状に一石を投じるものです」。
]]>米ウィスコンシン大マディソン校のドンシェン・カイ氏らが専門誌Cellに発表した内容によると、過食により、脳内で通常は休止状態にある免疫システムの経路が稼動し、実在しない侵入者を攻撃・破壊するため免疫細胞が送り出される可能性が判明した。
この発見は、肥満がなぜ他の多くの病気を引き起こすかの解明に役立つ可能性があるほか、肥満そのものの予防にもつながるかもしれないという。
]]>良質のたんぱく質が体質改善に役立つほか、ベーグルより食事の満足感があり、ダイエットを続けやすくなるという。カロリー制限をしない場合は、こうした効果はみられなかった。
実験は25~60歳で、体格指数(BMI)が肥満に分類される25以上の男女152人が対象。低脂肪メニューでカロリー制限を行うグループと行わないグループに分けた上で、週に5日以上、朝食の340キロカロリー分を鶏卵2個で取る場合とベーグルで取る場合とを比較した。
]]> さらに別の研究では、やせているからといって何もせずに、高血圧やコレステロール、糖尿病といった心臓関連の病気から守られるわけではないことも示されている。
肥満に関する報告をしたのは、Norbert Stefan氏率いるドイツ・テュービンゲン(University of Tubingen)大学のチーム。平均45歳の314人を対象に内臓の周囲の脂肪と皮下脂肪について調査した。
対象となった肥満グループは、インスリン抵抗性のある人とない人で2グループに分けられた。インスリン抵抗性は糖尿病の発症前にみられる現象で、部分的な糖尿病の症状があったり、完全な糖尿病に進行する恐れがある状態だ。
結果では、肥満でインスリン抵抗性がある人たちほど、筋肉および肝臓内の脂肪が多かった。また肥満でインスリン抵抗性のない人たちより頚(けい)動脈壁も厚かった。動脈の内側が狭くなることは心臓病の危険因子で、頚動脈壁が厚くなるのはその兆候だ。
加えて、インスリン抵抗性のない肥満の人は、通常体重のグループと比べ、動脈壁の厚さに違いはみられなった。チームは「代謝的に良性の肥満というものの存在が証明された。そうした場合は、インスリン抵抗性が生じたりアテローム性動脈硬化にならずにすむ可能性がある」と結論付けた。
一方、米ニューヨークにあるアルバート・アインシュタイン医科大学(Albert Einstein College of Medicine)のレイチェル・ワイルドマン(Rachel Wildman)は、1999年から2004年にかけて5440人を対象に、高血圧や中性脂肪の増加、いわゆる善玉コレステロールの減少など、心臓に影響を及ぼす代謝異常と体重の関係を調査した。
この研究でも、肥満の中には代謝的に健康なものもあることが明らかになった。
同研究チームは「肥満した人でも代謝異常のみられない人は、若年層、黒人、身体をよく動かす人、ウエストの細い人に多かった」と報告した。一方、体重が正常でも健康リスクの高い人は高齢になるほど増え、運動不足なほど、また平均よりもウエストの太い人ほど多かった。
この報告によると、20歳以上の米国人では、正常体重の人の約23%に代謝異常がある一方で、太り過ぎの成人の51%および肥満成人の32%が「代謝的に健康」だとされている。
]]>脂肪をつくっているのは脂肪細胞と呼ばれる小さな細胞であり、人間の体には数百億個あると言われる。最新のネイチャー誌に発表された研究成果では、成人になってからの脂肪細胞の数は、生涯を通じてほとんど変化しないことを報告している。
この研究グループは、687人の被験者から腹部の脂肪を採取し、年齢や肥満度指数(BMI)の変化と肥満細胞の数の関係を解析した。その結果、子供のうちは脂肪細胞が増えたり減ったりして体重が調節されるが、大人になってからは、子供のときにできた脂肪細胞が大きくなったり小さくなったりするだけということがわかった。つまり、子供と大人では、体重の増減のメカニズムがまったく異なるとういうことになる。
脂肪吸引法など、肥満細胞を減らすことにより体重を減量する方法がいくつか考案されているが、このような減量法はあくまでも医師の「経験」に基づいたものであり、体の他の部位に負担を与えてしまう危険性がある。
これに対し、今回のような研究成果が積み重ねられれば、医学的な根拠に基づいた体重増加のメカニズムが明らかになり、より安全な薬剤の開発などが期待できる。
今回の研究成果は、成人してから肥満細胞の数が変わらないということは、子供の頃にたくさんの脂肪細胞をつけすぎてしまうと、大人になってから脂肪を減らそうとするのは難しいことを示している。研究グループの代表者は、「子供のライフスタイルを決定するのは親である。子供の将来を考えて、健全な食生活を保ってほしい」と語っている。
]]>PCSK1のごくまれな1つの変異が非常に大幅な体重増加をもたらすことはすでに知られていたが、今回インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のPhilippe Froguel教授が率いる研究チームは、PCSK1がほかの遺伝子的要因と相まってより一般的に見られる肥満を引き起こす可能性について調査した。
研究チームは、欧州系で肥満の人1万3000人のゲノムを、肥満でない人々のゲノムと比較した。その結果、肥満の人々に共通するPCSK1の3つの変異を発見した。これらの変異をもつ人は、小児肥満や比較的軽度の肥満になりやすい傾向もみられたという。
PCSK1は、食欲やエネルギー代謝のコントロールに関係するホルモンを活性化させる際に重要な役割を果たす酵素を作る。これらのホルモンには糖や炭水化物の代謝に関係するインスリンやグルカゴン、また食欲が満たされたことを脳に知らせる物質などがある。
Froguel教授はAFPとのインタビューで、研究に参加した人の約25%で通常と異なる、普通よりも活性化された酵素が発見されたと述べた。
今回の研究では、肥満研究の公募に応募してきた150家族から検査を始めたが、各家族には少なくとも1人は肥満児がいた。その後、フランス、デンマーク、スイス、ドイツに対象を広げた。
肥満や糖尿病などの疾患は多くの先進国で急増している。原因は複雑で、運動不足や脂肪や糖分の多い食事といった生活習慣も関係している。
しかし最近の研究で、従来考えられていた以上に遺伝子が肥満の大きな要因であることが明らかになってきている。同教授は「ますます均一化する環境に対し、われわれは一人一人違う反応をする。反応が異なる理由の1つは遺伝子にある。我々はおそらく、肥満に関係する十数種類の遺伝子を年内に特定できるだろう」と述べた。
]]>ダイエット経験者の情報源(複数回答)として最も多いのは「健康特集TV番組」の44.8%。以下、「雑誌記事」(31.7%)や「家族・友人・知人」(28.7%)などが続いた。
また、ダイエット情報に特化した「ダイエットサイト」(25.9%)をはじめ、「ネットニュースやネット上の記事」(17.4%)、「ブログや日記、SNSや口コミサイト」(11.0%)など、インターネットを情報源として活用する人もいた。ダイエットサイトの利点としては、「情報量が豊富で無料のものが多い」「グラフがつけられる」「ネット上で進行状況を確認できる」「励みになる」といった声が寄せられた。
厚生労働省が今年4月から開始した「メタボリック健診」の認知度は、「内容を理解していて説明できる」(8.4%)、「どのようなものか大体知っている」(51.8%)、「言葉を聞いたことがある」(35.8%)など、認知度は96.0%に達した。また、認知者のうち、メタボリック健診は生活習慣病予防に「効果がある」と考える人(40.5%)は、「効果はない」とする人(24.1%)を大きく上回った。
調査は、2008年6月1―5日にかけてオンラインでアンケートを実施し、1万4041人から回答を得たもの。性別の内訳は男性46.0%、女性54.0%。
]]>報告によると、オーストラリア国内では45-65歳の男性の7割、女性の6割で、肥満度指数(BMI)が25を超えているという。BMIは20-24が標準値。
「Australia's Future Fat Bomb(豪州を脅かす脂肪爆弾)」と題されたこの報告書は、2005年にオーストラリアの成人男女1万4000人を対象に身長と体重を調査し、その考察結果をまとめたもの。
同研究所のサイモン・スチュワート(Simon Stewart)教授(予防心臓病学)は調査結果について「肥満度を競う五輪があれば、わが国が金メダルを獲得するだろう」と語り、肥満度において豪州は米国さえもしのぐ世界一の国だとの見解を示した。
スチュワート氏はまた、2100万人の人口のうち「当初の予測より100万人も多い」約900万人が肥満または太りすぎと推測されることから、医療保険制度の未来が脅かされることも懸念。「将来的には、ひざ関節の痛みや心臓まひや脳卒中といった肥満に起因する疾患での入院が急増し、医療保険制度に影響が出るだろう」と指摘した。
連邦政府に提出された報告書は、今後20年で肥満に起因する心疾患で新たに70万人が入院し、12万5000人が死亡すると推定している。
報告書はさらに、禁煙キャンペーンや皮膚ガン防止キャンペーンにならい、全国規模の減量キャンペーンの実施も呼び掛けている。トレーニングジムや個人トレーニングにかかる費用の補助や、病院で体重の減量度に基づいて診察の順番を決めることにより、太った人の減量意欲をかきたてる策も提案している。
]]>研究チームのフィル・エドワーズ氏とイアン・ロバーツ氏は、学術誌ランセットに16日掲載された論文で、肥満人口増加の問題はさらに、食料不足やエネルギー価格の上昇にもつながるとしている。エドワーズ氏は電話インタビューで「肥満は(さまざまな問題の)全体像の中でカギとなる部分だ」と述べた。
世界全体では現在、少なくとも4億人の成人が肥満とされている。世界保健機関(WHO)の推計によると、2015年までに成人23億人が過体重となり、肥満の人は7億人を超えるという。
]]>基準値の妥当性、生活習慣病の予防策としての有効性など多くの異論を抱えたまま始まった新制度である。これまで健診の実施や運用過程で分かった問題は何か、足りない点はないか。健診が受診対象者から広く受け入れられ、健康を維持するための制度として定着させるにはきめ細かに検証していく姿勢が欠かせない。
糖尿病や心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす恐れのある生活習慣病のリスクについては、一般にもよく知られるようになった。厚生労働省の試算によると、メタボ健診の対象者は約5700万人。2012年度には健診実施率を70%にし、指導対象と判断された人の45%に生活改善を促し、予備群と該当者を10%削減する。15年度に25%減らせば、25年度には医療費を2割抑制できる目算である。
机上の計算通りに運べば、それに越したことはない。だが課題は積み残されたままである。そもそも科学的な根拠となる基準値の採用をめぐっても、論争はまだ決着していないのである。85センチ以上と定めた男性の腹囲は、基準が厳しすぎるため中高年の半数が引っ掛かることになる。健診で新たな患者が生み出される結果、かえって医療費が膨らむといった批判が絶えない。
たとえやせていても糖尿病になることはある。腹回りが基準以下で糖尿病のリスクを抱えた人を見逃す危険はないか。そんな批判を受け、日本肥満学会など8学会が基準を再検討する方針を表明した。妥当な判断だ。
健診実施率や保健指導の成果が上がらない保険者に罰則を科す方針についても感心しない。国民の健康こそ本来、優先されるべきであって、医療費の抑制は付随的ととらえるのがまっとうな考えではないか。健康管理はすぐれて個々人に属する固有の領域だ。この視点もおろそかにしては困る。
]]>メタボリックシンドロームとは、インスリン抵抗性、脂肪肝、心疾患および2型糖尿病などの発症リスクを増大させる因子が複数合併した状態をいう。同大学内科学教授Roger Unger博士によると、肥満そのものがその原因であると考える人が多いが、心臓や肝臓などの臓器が損傷される原因は脂肪細胞以外の臓器に脂肪が漏出することであり、脂肪分子が脂肪細胞内にとどまれば、有害な漏出は抑えられるという。
今回の研究では、正常なマウスと、脂肪細胞の拡張を妨げるよう遺伝子操作したマウスに過剰な食餌を与え、両者を比較した。その結果、正常マウスは肥満になったが、7週間過食を続けるまでメタボリックシンドロームの徴候はみられなかった。一方、遺伝子操作したマウスは正常体重を保っていたが、2、3週間で深刻な健康状態の悪化がみられ、正常マウスにわずかな心障害が認められるよりも8週間も早く重度の心障害および大幅な血糖値の増大が認められた。また、遺伝子操作マウスは心臓細胞および膵臓のインスリン分泌細胞に重篤な損傷がみられたほか、余分なカロリーが脂肪細胞以外の組織に蓄積されるために疾患にかかるのが早いこともわかった。
"この研究は、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に4月14日掲載された。米国で約5,000万人が罹患するメタボリックシンドロームの正確な原因は明らかにされていないが、運動不足および肥満が主な要因とされている。"
]]>調査したのは、英バーミンガム大学のスザンヌ・ヒッグス講師ら。
女子大生を2グループに分け、同じ食事を提供した上で、半数にはその食事内容について詳細に書き出させ、残る半数には登校の道筋を詳しく書かせた。
1時間後にビスケットを食べられるだけ食べさせたところ、「食事記憶」の学生らは、「道順記憶」グループほど食べられず、3時間後には、両グループの食べる量の差が顕著になったという。
脳の中で記憶をつかさどる「海馬」という器官が、食欲抑制にも関連しているため起きる現象らしい。
食べ物について考えるだけで肥満を防止できれば結構な話だが、ヒッグス講師は「ダイエット中の人が食べ物のことを思うと、食事の摂取を増進させるとの研究結果もある」と指摘した。
漠然と食べ物のことを思い浮かべるのではなく、昼食の前なら朝食のことを事細かに思い出すことが大事だとしている。
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