人間の肌や髪などを黒くするメラニン色素を作る酵素「チロシナーゼ」の3次元(立体)の分子構造を、広島大大学院医歯薬学総合研究科の杉山政則教授らのグループが世界で初めて解明した。
化学式の表記も可能になり、メラニン色素の生成を妨げる効果的な物質を開発することができるという。
杉山教授らのグループは、抗生物質を作る細菌「放線菌」から大量のチロシナーゼを取り出し、1000種類以上の溶液に浸して顕微鏡で観察。その結果、アルコールの一種、ポリエチレングリコールなどの溶液を使うことで結晶を作ることに成功した。
さらに結晶の分子構造を探るため、高輝度光科学研究センターの大型放射光施設「SPring―8(スプリング・エイト)」(兵庫県佐用町)を使い、チロシナーゼ分子の中心で、二つの銅イオンがチロシンを変化させていることを確認、銅イオンを運ぶたんぱく質も特定した。研究成果は米国の生化学会誌(電子版)に掲載された。
大手化粧品メーカーは「美肌はダイエットと並ぶ女性の大きな悩み。その解消に大きく役立つ画期的な研究成果で、商品開発の参考にしたい」と評価している。 |