資生堂は、ユズの種子から抽出したエキスに、肌の老化を抑制する効果を発見した。
現在は皮膚モデルを用いての検証を行っているが、今後、実際の人の肌を用いて効果を確認するなど実用化試験を進め、早期にスキンケア化粧品の配合成分などとして商品化を図る方針だ。
同エキスは、肌表面の表皮と、それに連なる真皮の間にある重要組織「基底膜」に対して働き、基底膜の主要成分である「ラミニン5」「IV型コラーゲン」「VII型コラーゲン」という3つのタンパク質を作り出す細胞の働きを活性化させる。
加えて、表皮でうるおいを保つ多糖類「ヒアルロン酸」を産生する細胞の働きも活発にする。これらの効果で、肌の老化を抑えられるという。
これまで、それぞれのタンパク質やヒアルロン酸の産出量を個別に高める成分はいくつか見つかっているが、3種類のタンパク質とヒアルロン酸に同時に効く成分の発見は初めて。
基底膜は、厚さ約0・1マイクロ(1マイクロは100万分の1)メートルという薄い膜状の組織で表皮と真皮をつないでいる。また、表皮と真皮の情報伝達物質の調節など、肌を正常に保つ役目を担う。これまでの肌の研究でそれほど注目されていなかったが、資生堂の研究で肌の老化などに大きな影響を与える重要組織であることがわかった。
基底膜は、日光に含まれる紫外線などの影響で大きなダメージを受ける。「光老化」と呼ばれる現象を予防するためには、基底膜の産生を高めることが必要になる。
資生堂は、数百種類におよぶ物質で試験を行い、基底膜を産生するのに効果的な成分を探索し、ユズの種子エキスを見いだした。
ユズの種子エキスを、通常の化粧品などに含有させる成分濃度にして基底膜の皮膚モデルに添加したところ、「ラミニン5」「IV型コラーゲン」「VII型コラーゲン」が、添加しない場合と比較し、いずれも産出量が2、3割増加。表皮の皮膚モデルに添加するとヒアルロン酸の産生量は約2倍に高まった。
添加濃度を高めれば、さらに効果の増大が見込めるという。 |